泌尿器科について
泌尿器科は主に腎臓・尿管・尿道・膀胱・精巣・精巣上体・前立腺の病気を扱う科です。
腎臓については、健康診断で尿に潜血や蛋白が混じったり結石ができたなどの時に受診して頂きたいと思います。
膀胱、前立腺については、良性と悪性に分かれます。悪性の場合は癌になりますので、癌に対する治療を行うことになります。良性の場合は感染症(膀胱炎・前立腺炎)や結石、下部尿路通過障害(前立腺肥大症・過活動膀胱)などが主な病気になりますので、治療を行っていきます。
尿道については、尿道炎、性病が主となり、特殊なものとしては夜尿症(おねしょ)、亀頭包皮炎などが該当します。
尿路感染症
尿路感染症とは、腎臓、膀胱、尿道、前立腺、精巣、精巣上体に起きる感染症のことです。腎臓から尿管までを上部尿路といい、この部分が感染した病気は上部尿路感染症といいます。また、膀胱から尿道までを下部尿路といい、この部分の感染症を下部尿路感染症といいます。
腎盂腎炎(腎盂炎)
腎臓に炎症が起こる病気です。女性が比較的かかりやすい病気です。
症状
症状は急激に発症するのが一般的です。
発熱、炎症が起こっている側の背中の痛み(腎臓は背部にあります)、全身倦怠感、寒気などが特徴的な症状として挙げられます。
こちらの内容も参考にしてください。 食後や運動後の尿の泡は異常?飲酒や肥満との関係は?
膀胱炎
膀胱の細菌感染で起こる病気です。女性がかかりやすい病気です。
症状
頻尿、尿意切迫、灼熱感や疼痛を伴った少量の排尿、尿の混濁、血尿、残尿感、排尿時・排尿後の痛みがあります。
また、下腹部の痛み、腰の痛みを伴うことがあります。
急性前立腺炎
前立腺炎は男性器のひとつである前立腺に起こる炎症です。
急性前立腺炎は細菌感染によって発症し急激に症状が現れる前立腺炎です。
症状
症状としては、高熱、会陰部痛、排尿が困難になったり、排尿時の痛み、残尿感といったものがみられます。
精巣上体炎(副睾丸炎)
精巣上体とは、精巣から精子が運ばれるときの通り道のことです。
細菌感染などによって、その通り道の組織が炎症を起こしてしまう病気です。
症状
急性精巣上体炎の場合は、発熱や排尿痛、陰のう肥大などの症状がみられます。
排尿障害(下部尿路通過障害)
前立腺肥大症
前立腺は膀胱の直下にあり、尿道を取り巻くように存在しています。
この前立腺が肥大化することで、尿道や膀胱が圧迫され排尿障害が出てくる病気が前立腺肥大症です。
前立腺肥大症は高齢になるほど発症しやすい病気です。
症状
頻尿、夜にトイレで何度も起きる、排尿がスムーズにいかない、残尿感、尿に勢いがない、などの症状が見られます。
慢性前立腺炎
前立腺に慢性的に炎症が起きる病気です。
細菌が原因になっている「細菌性前立腺炎」と細菌ではない「非細菌前立腺炎」があり、非細菌前立腺炎の患者様が多数を占めます。
症状
頻尿・残尿感・排尿痛・会陰部の違和感・下腹部や足の付根の鈍痛や違和感などの症状がみられます。
過活動膀胱
過活動膀胱は急な尿意や極度の頻尿などの症状が出る病気で、脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のトラブルで起こる「神経因性」のものと、それ以外の原因で起こる「非神経因性」のものがあります。
症状
「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレの頻度がかなり多い」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」など
癌
腎臓癌
腎臓の癌は初期の段階では症状がほとんど出ない病気です。
進行が進むと以下の症状があらわれます。
症状
食欲不振・体重減少・全身倦怠感・発熱・貧血や腹部の疼痛(ジンジン・チクチクなど)・血尿・腹部のしこりがあげられます。
膀胱癌
膀胱癌は男性に多く見られ、高齢になる方ほど多く発症する傾向があります。
特に喫煙習慣がある方がなりやすいといわれています。
症状
血尿や排尿時の痛み、下腹部の痛み、背中の痛みやむくみなどがみられます。
前立腺癌
前立腺は男性にあり、精液の一部をつくっている臓器です。
その臓器にできる癌です。
症状
前立腺癌には目立った症状はみられません。
しかしながら、前立腺肥大症を同時に発症している場合が多く、その症状がみられることがあります。
前立腺癌が進行すると他の臓器へ転移することもあり、早期発見が重要です。
その他
腎結石
腎臓で作られた結石のことです。この結石が尿管などへ移動してしまうと激しい痛みが生じます。男性では30代~40代の患者様が多い病気です。
症状
腎臓に結石ができても、症状があまり出ません。気付かれないうちに症状が進行することがよくあります。稀に結石の発生場所によっては痛みが伴ったり、血尿、吐き気などを伴うことがあります。
尿管結石
腎臓で作られた結石が、腎臓から出て尿管へ移動したものが尿管結石です。
症状
結石が尿管につまり尿の流れを阻害するようになると腰背部から側腹部にかける激痛や下腹部への放散痛が発生します。
また、血尿や吐き気を伴う場合もあります。
夜尿症(おねしょ)
6歳前後を過ぎてもおねしょをしてしまう病気です。
通常、夜間は尿の生成が減少し、逆に膀胱に尿を貯める力は増加します。この働きによって、夜間に何度も尿意を感じることがないのですが、何らかの要因によりこの仕組みが未熟なためにおねしょをしてしまいます。